2018年11月15日に当院が開院し、平成から令和へと時代をまたぎ、2020年からはコロナ禍もあり、糖尿病診療を含めた医療体制は果たしてどうなるのかという不安や不確実さを孕んだ日々を経て、当院は開院7年目を歩んでおります。病型・病態はもとより、様々な背景をもつ患者さんの診療に携わる中で、私たちも様々なことを学び、経験させて頂きました。ここに、2018年11月の開院からの当院の歩みを、集計データとともに振り返りたいと思います。
※過去分のまとめは こちら にございます。
2018年11月15日に当院が開院し、平成から令和へと時代をまたぎ、2020年からはコロナ禍もあり、糖尿病診療を含めた医療体制は果たしてどうなるのかという不安や不確実さを孕んだ日々を経て、当院は開院7年目を歩んでおります。病型・病態はもとより、様々な背景をもつ患者さんの診療に携わる中で、私たちも様々なことを学び、経験させて頂きました。ここに、2018年11月の開院からの当院の歩みを、集計データとともに振り返りたいと思います。
※過去分のまとめは こちら にございます。
2018年の開院当初は、「糖尿病内科」のある病院やクリニックは札幌市中心部や一部の地域に限られており、「糖尿病クリニック」が当地にできた時は「このクリニックは何?何を診てくれるんだろう?」と思われた方も多かったのではないかと思います。しかし、当院ホームページやSNS、FMラジオなどで当院のことを知ってご来院された方など、当院に通院される糖尿病患者さんは年度を追うごとに増加し、開院5年時点で800人を超え、2025年3月末(開院後約6年半)で931人にのぼりました。
長年通い慣れた病院・クリニックの先生が退職・閉院された等々の理由にて当院へご紹介となった方も数多く居られました。どの患者さんも、慣れ親しんだ元の通院先で様々な「思い出」や「物語」があったと思います。我々は、そのような患者さん一人一人の想い、ご紹介下さった先生方の想いを大切に、当院にてまた新しい物語を紡いでいくことが出来るようにという想いを込めながら診療にあたっております。
当院の糖尿病患者さんの7割強は中央区内にお住まいで、当院まで徒歩や市電などにて通院できるエリアからの患者さんが近年は中心となっております。ホームページやSNSのみならず、既に通院中の方からの口コミ等にて当院を初診される方も最近は増えております。中央区以外では南区にお住まいの患者さんが多く、ほか、豊平区などの方も引き続き増加傾向にあります。
開院して1~2年目までは、これまで他院に通院されていた方が「自宅から近いところに当院ができた・当院があるのに気づいた」、また「糖尿病については糖尿病専門医に診てもらいたい」ということなどで転医されるケースが目立っておりましたが、近年は「健康診断で血糖高値や尿糖陽性を指摘された」ことで初診される患者さんが大幅に増加したのみならず、他の医療機関からのご紹介にて初診される患者さんも全体の約4分の1を占めております。
糖尿病は「早期発見かつ早期から『しっかりと』治療する」ことが何よりも大切であり、当院も開院当時からそれを繰り返し訴えております。検診で「血糖」「ヘモグロビンA1c」が引っかかっている、「尿糖」が出ているという方は、自覚症状が無いから、時間が無いからと後回しにせず、まずは糖尿病内科へ受診・相談されますよう、重ねてお願いいたします。
糖尿病は主に「1型」「2型」の2つの病型があり、その両者で治療方法は大きく異なってきます。そのため、当院を初診されかつ過去に糖尿病治療歴のない患者さんについてはほぼ全例で「1型か2型か」の病型判定を行っております。
一般的な統計では、糖尿病患者さんの約95%が、すい臓から分泌されているインスリンの働きが悪くなっている「2型糖尿病」であり、当院での集計結果ともほぼ一致しております。当院初診・初療患者さんの約40~50人に1人くらいの割合で、注射によるインスリン補充を必要とする「1型糖尿病」が見受けられますが、かつて行われていたような「即入院」では決して無く、通院しながらインスリン治療や自己血糖測定等の導入を、当院開院以来数々の患者さんに対して行って参りました。
ほか、妊娠中におこる「妊娠糖尿病」についても、各病・医院の産科からのご紹介で、当院にて栄養相談(食事療法)やセルフケア指導などを行っている実績が最近増えております。