皮下持続式グルコース測定(CGM)について

 

 

ご自身の「血糖値」を測る方法として、一般に行われているのは
・病院での採血
・指先から少量の血液を出し、血糖測定器で測る
という方法が挙げられますが、前者では病院まで行かないと測れない、後者では寝ている間や仕事・運動中の血糖値を測れないという欠点があります。

血糖値は食後には一時的に上がるものの、すい臓からのインスリン、その他のホルモンの働きによって、血糖値はほぼ一定に保たれます。糖尿病の場合はインスリン作用やインスリン分泌の不足によって高血糖となるのですが、治療によってそれを是正していく中で「低血糖」が生じることがあります。また、体内のインスリンも含めた血糖調節機構の障害も相まって、高血糖と低血糖を交互に繰り返してしまうケースもあります。
70mg/dlを切るような低血糖が生じたときは、冷や汗や動悸、空腹感などの症状が通常は自覚されますが、糖尿病を発症してから長年経っているような方などではそれが自覚されない「無自覚低血糖」もしばしば来たします。とくにこの無自覚低血糖は、心血管系障害のリスク、高齢者では転倒リスクや認知機能への影響も指摘されております。また、朝の空腹時の血糖値が正常域でも、食後に顕著な高血糖を生じる(食後高血糖)は、動脈硬化や血管合併症につながっていく可能性も示唆されています。

・深夜の低血糖、およびそれに伴う早朝の高血糖が疑われる患者さん
・無自覚低血糖が疑われる患者さん
・食後高血糖が疑われる患者さん
・「〇〇の症状」が低血糖もしくは高血糖と関係があるのか心配されている患者さん
・インスリンなどによる治療効果を正しく評価する必要がある患者さん
・なぜHbA1cが高いのかはっきりしない患者さん
以上のようなケースにおいて有用なのが「皮下連続式グルコース測定(CGM)」という検査です。

CGMは、写真のような血糖センサーを上腕や腹部の皮膚につけて、皮下組織の糖濃度を数分ごとに自動計測することで、24時間・数日間(最長で14日間)の血糖変動を調べることができる検査です。センサー装着に際して痛みは全くなく、装着したまま入浴や水泳も可能です。
検査結果はクリニックにある専用の機器で読み取り、コンピューターで解析することで、下図のような血糖グラフが得られます。この結果に基づいて、必要であれば治療薬の変更や調整、食事や運動のアドバイスなどを行い、食後高血糖や夜間低血糖・無自覚低血糖の防止につなげていきます。

当クリニックは、糖尿病と診断され治療を受けている方について、皮下持続式グルコース測定(CGM)を保険診療にて実施できる施設として認定されています。かかる費用は3割負担の方で約4,000円(診察料別途)となります。
当クリニック以外で治療を受けている方でも検査ができますので、いつでもお気軽にご相談いただければ幸いです。

【フリースタイルリブレセンサーを自己購入されてご使用の方へ】

当院に定期通院継続中の方を除き、
個人向けリブレセンサー(センサーアプリケーターが青色のプラスチック)をお使いの方の
血糖データ吸出しや解析は当院では行っておりません。
アボットジャパンのウェブサイト(下記)より、解析プログラムをダウンロードするなどして
各自で行って下さいますようお願い申し上げます。

患者さん向け:データ管理ソフトウェア|FreeStyleリブレ情報サイト (myfreestyle.jp)